<19号 沈黙のチカラ>

先日お客様へ商談に行った際の話です。

そのお客様はもともと口数が多いほうではありません。

自分が質問した事について端的に答えて終わり、といった感じです。

そのためすぐに沈黙ができる相手でした。

以前訪問した際も15分程度で終わることも多かったです。

今回も商談の開始10分程度で自分がお伝えしたいことは終わってしまいました。
さて、困った。。

まあいつも短いからいいかな、と思っていたら先方から
たわいもないちょっとした質問がありました。

質問されるなんて珍しいな、と思いながらお答えしていました。

するとまたすぐに沈黙になります。

普段の自分ならすぐに沈黙をうめるために何か話を始めます。

しかし特に沈黙をうめる話題が思いつかなかったのです。

そのためちょっと待っていました。

すると先方からまた質問がありました。

答えました。

また沈黙になります。

待っています。

先方から質問が・・・

ということを繰り返し、気が付いたら開始から50分程度がたっていました。

そこで改めて気づきました。

自分にとっての沈黙時間と相手にとっての沈黙時間は違うのだということに。

もともと沈黙の種類については知っていたつもりです。
・しっかりと考えている際の沈黙
・特に何も話すことがない際の沈黙
・つまらないと思っている際の沈黙

新人の営業マンがお客様とお話している際に、一つ質問して一つ答えが返ってきたら
すぐに次の質問をする。

お客様はまだ考えているのに・・・、少し待てばもっとお話してくださるよと思うことがよくあります。

一方で質問されたから答えましたよ、それで?
という方もいます。

そういう方はこちらから話題を振らないと終わってしまう可能性大です。

しかし、「沈黙」に対するそれぞれの捉え方で変わることがあります。

それは<苦痛と思う沈黙時間の長さ>です。

沈黙があるとなんとかしてこの時間をうめないと、と思う時間の長さは人によって違います。

すぐにうめたくなる人もいれば、10秒くらいは普通だよという人もいます。

これは人それぞれです。

デキる営業マンはわざと沈黙をうめないという話も聞いたことがあります。

そうすることでお客様から話をさせ、話題をつなげていくようです。

なので、自分が気まずいと思う沈黙時間と相手が思う気まずいと思う沈黙時間は違うのです。

自分だけが必死になって沈黙をうめるために無理に質問をする必要はないのです。

相手はどのくらいの沈黙まで普通で、どのくらいを超えると苦痛と思うのか?を見極めることが重要です。

そのためにもしっかりと相手の反応を見ながら会話していく必要があります。

「雄弁は銀、沈黙は金」
ということわざがあります。

これは、沈黙のほうが時には雄弁よりも価値があるということです。
何も語らず黙っていることは、すぐれた雄弁よりも大切であるということです。

このことは自分では十分にわかっているつもりではありましたが、
今回のお客様との会話によって改めて気づかされました。

沈黙時間をどうとるかは人によって違うのだと。

理屈と実践の差を感じ、一つ学んだ一日でした。

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