昨日は学生向けの就職イベントを開催していました。
その際に就職先に迷っている学生に
こんな質問をしてみました。
その答えから今の学生の本音らしきものを
みたような気がしたのです。
■例えば、
「中小企業で正社員になる」
「だれもが知っている有名企業の契約社員になる」
「就職しない」
という選択肢があった場合どれを選ぶ?
そう質問してみました。
するとその学生はこう答えました。
「大企業、中小企業といった規模だったり、
社員、契約社員はあまり気にしないです。
要は、仕事内容がアルバイトの延長線上にあるような
仕事はしたくないんです。
例えば飲食店やアパレルショップだと、立場は社員だけど
最初の仕事はアルバイトと同じで、
社員である分だけ縛られているように感じるから。
それならばフリーターの方が嫌になったらすぐ辞めれるし、
実際にフリーターでも最低限の生活はしていけるから。
周りにもフリーターで生活している人がいるんです。」
■この発言から今の学生の働くということに対する本音
らしきものがみえた気がしました。
勿論、すべての学生に当てはまるということでは
ありません。
就職をしない人においても違う理由の人はいると思います。
ただ、私自身もフリーターで生活をしている人達を
数多く知っているのです。
アルバイトを複数掛け持ちしながら生活費を稼いでいます。
働く時間は社員と同じくらいです。
しかし責任や立場というしがらみがないだけ楽そうにみえる。
そういった人達が周りにいて、
その暮らしぶりをみていると
働くことに対して意欲を持っていない学生にとっては、
「それでもいいか」
と思ってしまう気持ちもわからなくはないのです。
■フリーターと正社員の違いというものは、
ある程度社会人経験を積んだ人ならわかります。
しかし長期的視点で人生や物事を捉えられない学生に
してみれば、「今、あるいは数年先」の環境が同じならば
今、わざわざつらい思いをして就職することはない、
そう思ってしまうのでしょう。
それを大人の視点から諭したとしても受け入れにくい
環境が出来てしまっていると思うのです。
どんなに正しい「大人の視点」であっても、
いかに正当な理由がある「大人の視点」であっても、
確実に将来起こりうる予測に基づいたアドバイスである
「大人の視点」であっても、
「今」という延長線上の基準で物事を捉える学生にとっては、
「将来」に希望を持っていない学生にとっては、
「成長」に喜びを見いだせない学生にとっては、
響かないものなのです。
■だからこそ我々大人のすべき事は、
「事実」を話すのではなく、
「未来」を見せることなのだと思います。
我々の背中で「未来」を「魅せる」ことなのだと思います。
そのためにも働く我々がイキイキとした姿をみせていく
ことが求められるのです。
そういった大人の集団こそが
子どもたちの未来を作っていくことになる、
そんな意識でもって日々の生活を過ごしたいものです。