<52号 誰にフィードバックしてもらうかが重要である>

「自分のダメなところをフィードバックしてほしい」

ある就職活動中の学生が言った言葉でした。

■先日、就活中の学生達のパネルディスカッションを行いました。

観客は人事担当者と学校の先生です。

そのパネルディスカッションの議題の一つに、

「就職活動全体を通しての悩み、要望、
必要な支援は何かありますか?」

というものがありました。

その一つの意見の中に、

「面接で不合格だった場合、自分のダメだったところを
教えてほしい」

というものがありました。

せっかく企業の人事担当者の方々がいるので、
それに対してどう思うのか?ということを聞いてみました。

そんな中、とある人事担当者の方が答えてくれました。

■その会社は100人採用するということで日々多くの
学生と面談を行っています。

そのため、最終の役員面接にいく学生の数も多い。

しかも役員にその一人の学生の合わない部分をコメントもらうのは
難しいということでした。

これは企業側の事情としてはあるものだと思います。

そしてさらにその方は恋愛の例を出しながら、
個人的な意見としても言ってくれました。

それは、
「もし恋愛関係にある二人が別れる際に、
お互いのダメなところを聞き合い、衝突するよりも、

別れるということを受け入れたほうが穏便に進む」

と言います。

「ダメな部分を一方的に伝えるとどうしても角がたってしまうし、
お互いの食い違いが出て余計な緊張関係になってしまうこともある。

なので、自分で振り返ってみることから改善したらどうか。

その自己反省からの自己成長も就職活動の一環である」

そう言ったのでした。

■その話を聞いていながら自分も色々と考えました。

実は自分はこのパネルディスカッションの4日前に
お付き合いしていた人と別れたばかりだったのです。

しかも相手から別れ話をきりだされ、そのまま受けたという感じです。

フラれた自分としては、「なぜ別れたいのか?」という理由を
聞きませんでした。

そのほうがお互いに感情が高ぶらないからという理由です。

また相手の立場で考えてみれば、別れると決め、それを伝えるまでに
色々と悩むことがあったと思うのです。

これ以上追い打ちをかけるようなことをしなくてもよいのかなと
思ったのです。

あとは正直、自分にも別れ話を言われるだろう心当たり(連絡しなさすぎとか)
があったもので・・・

自分である程度の理由がわかるからこそできることだと思います。

■そのため、これはすべての人に当てはまることでもないと思いました。

しっかりとお互いの思っていることをぶつけ合うことも必要です。

理性だけでなく、感情でぶつかることも必要だと思います。

そうでないと、納得して先に進めない、
たとえ納得できなくても受け入れるための材料がないと進めない。

そんな人もいるからです。

またすべてを自分の中で完結させすぎるのもよくないです。

堂々巡りなるだろうし、内側に溜まってしまうのです。

悪い感情だけで自分自身に渦巻いてしまう可能性があるからです。

■そのため、「信頼できる第三者」に
話を聞いてもらうというのが一番よいと思うのです。

自身の考えや思いを話しているうちに、気づくことがあるからです。

考えるだけでは気づかないことも、
語りとして話すことで気づくことができるのです。

これは恋愛の悩みだけでなく、就職活動の悩みについてもそうです。

そして就職活動だけでなく、日々の生活や自身のキャリアについてもです。

「信頼できる第三者」に話す過程で、

自身の気持ちの整理ができたり、

新たな発見ができたり、

自身の奥にある感情に気づくことができるのです。

そしてそれがキャリアアドバイザーとしての私の役割だと思っています。

「語りの中で自身に気づく」

そんな対話を日々提供しているわけです。

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