昨日は、
「プロフェッショナル 仕事の流儀」
宮崎駿スペシャル 風立ちぬ1000日の記録」
を見て、感じたことを書いたのですが、
また別の視点で感じたことがあったので、
改めてそのことについて書きたいと思います。
■それは「時間軸」についてです。
例えば映画。
「風立ちぬ」は構想から実写に至るまで
何年もの月日をかけて作り上げています。
たった二時間の作品を作るまでに
何百倍もといえる時間と労力を費やしているのです。
そんな渾身の作品といえるでしょう。
■観客としては、二時間でその作品を
味わうことができますが、
作者はそうではありません。
何年もの時間と労力をかけているのです。
我々はたった数時間で
数年間の時間と労力がかかっている価値
を享受することができます。
これはとてもありがたいことです。
ただ、このことに関する
「本当の教訓」
とは何でしょうか?
学びにはもってこいだということでしょうか?
■私は「時間軸の設定」だと思うのです。
人々が本当に感激するようなものを
提供するためには、
少なくとも数年はかかるということです。
人によっては何十年とかかっても
おかしくないと思います。
でもテレビやCMや本やセミナーという、
時間を短縮して凝縮されている情報に
慣れてしまっていると、
華やかな成果というものが
「数時間、数日、数ヵ月で得られるもの」
だと思ってしまっていないでしょうか?
■では逆の視点からみるとどうなるでしょうか?
我々個人が社会に提供している価値は
どのくらいのものでしょうか?
その価値というのは仕事によって様々だと思います。
飲食店なら美味しい料理やサービスを、
アパレル店なら衣服とコーディネートを、
IT関連ならシステムや効率性を
提供していることでしょう。
■ではその価値はどのくらいの期間をかけて
形成されてきたのでしょうか?
商材ができるだけも
数ヵ月~数年間かかるものもあるでしょう。
そこに販売・営業する人の教育を含めると
もっともっと時間がかかっているのです。
■我々は短期間で成果を得られることに
重点を置きすぎていて、
長期間で得られる価値について
すこしおざなりになっていないでしょうか?
いいかえるならば、
今の自分の成果や価値について
焦りすぎてはいないでしょうか?
■米国の自己啓発作家である
アンソニー・ロビンズはこう言います。
時間を自分のものにしてしまえば、
多くの人が、一年でできることを
過大評価していること、
そして、十年でできることを
過小評価していることがわかるだろう。
そうなのです。
もっとしっかりと腰を据え、
長期間で成すべきことを大切にしても
いいと思うのです。
現状に焦りすぎずとも
よいと思うのです。
しっかりと種を蒔く時期を意識し、
花が咲くのを楽しみにする
「心のゆとり」
を持つことが大切だと思うのです。
■すばらしい価値を世に提供している
宮崎駿監督の働き方とその表現方法から
時間軸について感じたことなのです。
これはつまるところ、
自分の人生の道の歩み方ということにもつながると思うのです。