「後悔などあろうはずがない」
引退会見でそう断言するイチロー。
50歳まで現役を続けると語っていたイチロー選手が
このたび、引退という発表をしました。
そこで語られる言葉は、
私の心を震わせ、あらためて
「人の生き様の影響力」
というものを考えさせるのでした。
Contents
後悔しないためには納得いくまでやり続けていくしかない
引退について、
「後悔などあろうはずがない」
と言い切ったイチロー選手。
そう、胸をはって言えることこそが
凄いことです。
私自身、今まで生きてきて、
後悔しないように全力だったかと問われると、
「もっとできたかもしれない」
と思うことは多くあるものです。
それは、仕事の取り組み方だったり、
セミナーでの発言内容だったり、
個別カウンセリングでの関わり方だったり、
プライベートなことであっても、
迷ってやらないこともあったり、
気になる子に声をかけられなかったり、
などなど、
「あの時、ああしていればなぁ」
と思うことあるものです。
今回、イチロー選手の発言を聞いて、
あらためて、
「今の行動は人生を振り返った際に
本当に後悔しないものになっているか?」
ということを考えるのです。
そして、何の問題もないと断言できないのであれば
今からの行動をかえ、
「後悔しないように納得いくまでやるしかない」
と思うのです。
結果よりもプロセスを大事に
仕事では多くの場合、
「プロセス」よりも「結果」を重視します。
結果や成果を出してこそ
会社に貢献できているという考え方は
間違っていないと思います。
でも、同時に結果がすべてではないと思います。
例えば、私の場合、
会社を辞め、独立しているわけですが、
「年商が1億を超えて成功したのか?」
と聞かれれば
「No」
です。そんなに稼いでいません(汗)
では、結果を出せていないから
会社を辞めることに意味がなかったのかと
聞かれると、それも
「No!」
です。
私は自分の選択に後悔はしていません。
会社をやめてから今までの時間で、
色々なことに挑戦することができました。
やりたいこと、興味のあることは、
ほとんど着手できたとさえ思っています。
だから、
「数字という結果」
は出ておらずとも、
「今まで過ごした時間というプロセス」
においては、とても充実した気持ちで
過ごしています。
それは誰に何を言われようとも変わるものではなく、
私自身が私の人生を歩んでいると自信をもって
言いきれるものです。
そしてそれは私に心の平穏をいうものを与えてくれます。
他人よりも自分と向き合う
我々のライバルは誰なのでしょう?
会社ならば競合他社ですか?
個人ならば同年代の友人ですか?
そうした他人と比べることが悪いとは思いませんが、
向き合い、超えるべきは
「自分自身」
であると思うのです。
目標を設定するにしても、
・自分の限界を一歩超える設定をするのか
・自分の限界の一歩手前の設定にするのか
・はたまたゆるーい目標にするのか
それを決めるのはすべて自分自身です。
もちろん、会社や上司から一方的に
与えられるノルマや数字という目標もあるでしょう。
でも、それに対してどれだけ本気で取り組むのか、
というのはすべて自分自身の意思で決めるもの。
とするとやはりすべては、
「自分との戦い」
であり、どれだけ
「自分と本気で向き合うのか」
ということになってくるのです。
みなさんは、自分自身と向き合っていますか?
自分が大事にしているものを把握していますか?
それを実現させるための時間が取れていますか?
会社や家族、お金や時間や自信のせいにしても
何も変わりません。
すべては自分の判断と行動でしかないのですから。
日常のささやかな誇り
イチロー選手はこう述べていました。
(表現はちょっと違うと思いますが)
「私のささやかな誇りは
再度マリナーズと契約をした後の日々だ」
ということを。
(40代を超えて契約をしてもらえたという意味だと思います)
「ささやかな誇り」
という言葉、素敵だと思いませんか?
決して大きなものではなくてもいい。
他人に自慢できるものでなくともいい。
自分自身が誇りと思えて、
その誇りがあるからこそ日常生活が満たされる、
そんな誇りを持つことができれば
きっと人生が豊かになると思いませんか?
それは、小さな一歩でしかつくれないもの。
少しずつ積み重ねていくしかないもの。
まさにイチローがバットを振り続け、
1本ずつヒットを積み重ねてきたように、
我々も日々の生活のなかで
ちょっとの努力を続けていかなければできないものです。
小さな努力は
それが実っているのか実感しにくいものです。
途中で諦めてしまいたくもなるでしょう。
でも、今回、イチロー選手が
人生を通して実現、実践した軌跡をみると、
私たちに励ましのメッセージをくれていると思うのです。
一人の野球選手の生き方から
とても多くのことを感じます。
人生を生きた証である自分自身の生き様に本気で取り組んでいきたい
そうした「生き様」の影響力の大きさを
改めて実感すると共に、
私自身が、
「この先どのようなことに取り組み、
どんな生き様を残せるだろうか」
ということについて
応援してくれているようにも思います。
とても寂しくもあるイチロー選手の引退。
ただ、同時に多くのことも
学ばせてもらったものです。
と同時に、私自身もこのように、
「生き様で何かを伝えられるような生き方をしたい」
と思うもの。
それが私にとっての「道を極める」ということなのですから。