先日お客様と話をしている際に、
「採用の仕事をしていると営業力が下がっていく」
という話題になりました。
■採用の仕事のメインは、
興味のある学生を何人自社に採用できるか
ということです。
つまり、いかに上手く学生に自社の
情報を伝えられるか、というこが重要になります。
そこでは
プレゼンの上手さ、
話し方、愛社精神、自身の魅力、
仕事に対する想い、将来像の有無
といったものが求められます。
そのため、上記のようなスキルや
強さは身に付いていきます。
これらは、とても大切なものだと思います。
しかし学生に対する話は、
一方的な情報発信でもあります。
時には質問をする学生もいます。
ただ、会社の商品や方向性に意見を言う
学生はいないでしょう。
つまり、自身の話や考えに対立した考えや、
反対意見を言う人がいないのです。
それが何を意味するか?
自身の営業力が下がってくるということなのです。
■営業を行ったことがある人なら
分かると思いますが、
自社の製品やサービスを一回の商談のみで
販売する、契約を取る
ということは難しいことです。
何度も訪問し、提案し、説明し、
納得してもらい、上長と相談し、
決まっていきます。
つまり相手と折衝するのです。
何度も交渉する必要があります。
その度に新たな資料や根拠、
説明方法や提案目的を考え提示するのです。
そういった事を繰り返していたら、
自然と営業力というものはついてくるでしょう。
こうした努力や実践があって初めて
物やサービスが売れるのです。
採用にはこの折衝がほとんどないのです。
だから元は営業をやっていて、
現在採用担当をしている人は、
話し方からプレゼンの方法まで
パワーが違います。
採用のみを行っている人と比べ、
学生に与える影響力の違いをとても感じます。
■この先ずっと採用の仕事を続けていくのならば、
自分の想いを伝えるスキルだけあればいいのかも
しれません。
ただ、生きていく上で一番必要不可欠なスキルは
恐らく「営業力」だと思います。
だからこそ、誰しも営業力を磨いていく必要があるのです。
通常、人は、今自分に必要なスキルのみで
満足することがあると思います。
そこを
採用だからと言って
その仕事のみに注力することなく、
営業力の低下を感じている
その人の視点がすごいと思うのです。
まっすぐ前だけを見るのではなく、
多面的に物事を見る。
それが周りだけでなく、
自分自身さえも多面的に見ることができるなら、
より多くの発見があることだと思います。