この正月に実家の川の壁面にセメントを塗る
という作業をしました。
実家の横に用水路があるのですが、
その壁面が古くなってきていて、
石と石の間が剥がれ落ち、
土面がむき出しになっているため
セメントを塗って補完しようということになったのです。
面積も広いので、
家族3人で一斉にやろうということになりました。
■ただ、作業を始める際に
私(神田)は、母親から
「セメントを塗るから手伝って」
としか言われていませんでした。
そのため、
「セメントを塗る手伝いをすればいいのね」
としか思っていませんでした。
だからすべての壁面にセメントを塗るにあたり、
とりあえず作業しやすい大きな穴から
セメント作業を始めていました。
■しかし、この作業の依頼者である母には
セメントを塗る大きな目的があったのです。
それは、
「壁面から生えてくる草取りが大変だから
セメントを塗って草が生えてこないように
してほしい」
そういう思いだったのです。
そのため、草が一番よく生えている
壁面の下部分からセメント作業を始めていました。
■ただ、このセメント作業の一番のメイン作業者
である父は、また別の考えでした。
それは、
「壁面が古くなっているから、
崩れたりしないように
しっかりと強固にセメント作業をしよう。
そしてセメントの性質上、
上から作業していくのが一番効率がいい」
そのような考えを持ち、
壁面の上から作業を始めていました。
■それぞれが別々の目的を持って
作業をしていました。
お互いの目的の違いに気づいたのですが、
すでに時遅し。
作業は全然効率的に進みませんでした。
想定の3分の1も進まず、終了することとなったのです。
同じ作業をしていても、
目的が違ったためにやり方が違い、
結果も大きく変わってしまったのです。
よくよく考えると、
作業を始める前に話合っておけばよかっただけ、
ということです。
しかしそれを怠ってしまったため、
このような悲惨な状況になってしまったのです。
■親しい関係である家族であっても
このような食い違いが起こるのです。
まったくの他人である
会社の同僚、仕事仲間ならば
より一層こういった食い違いが
起こりやすいことでしょう。
しかし、自分がわかっているから
相手もわかっているはずである、
という勝手な思い込みで話を進めて
しまうことがあるものです。
「○○をしておいて」
という指示だけでは、
思った通りの成果がでるはずがないのです。
「○○という目的のために、
○○をしておいて」
この指示の出し方が正解なのです。
■あなたは部下に日頃、
どちらの指示の出し方をしていますか?
あなたの上司は日頃、
どちらの指示の出し方をしており、
あなたは目的の確認をしていますか?
どちらが悪い、どちらが出来ていない
と攻めるのは簡単です。
ただ、一番お互いが幸せになるために必要なのは、
「コミュニケーション」
です。
それぞれが声をかけあい、
目的を確認し合うことこそがベストなのです。
そのため、
日頃からお互いが声をかけあう
「コミュニケーション」
を意識し、実践してみてはどうでしょうか?