615道 魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えるのではなく、釣りとは何ぞやということを伝えよう

魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ

教育の世界では、

「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」

と言う言葉がよく使われると思います。

これは、
仮にお腹を空かした人がいた場合、

魚を与える事で一時的に空腹を満たす
支援をすることは簡単な方法ではあるけれど、

その人は空腹になる度に誰かを頼り、
魚をもらい続けなければならないし、

誰かから食べ物ををもらい続ける癖が
ついてしまうのです。

そうではなく、
釣りの道具を与えて魚の釣り方を教え、

自らの力で魚を捕えて食べられるようになれば、
今後空腹になっても困らないということで

魚の釣り方を教えましょう、
という教育指針のことなのです。

なるほど、ごもっとも。

と思うのですが、
ちょっと違和感に思うこともあるのです。

というのも、
釣り方というのは「テクニック」の話であって、

それ以前に大切なことがあるのではないか
と思うのです。

その大切なこととは、

「なぜ魚釣りをするのか」

という目的や意義というものを
教えることだと思うのです。

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目的や意義という原理原則が大切

というのも、
お腹が減って、その食欲を満たすための
手段を得たいならば、

魚釣りではなく、

農業でもよく、狩猟でもよく、
木の実拾いでもよいのです。

では、なぜ魚釣りをするのか?

という明確な理由がわかっていなければ
魚釣りをすることへの集中度が
低いまま行うことになるのです。
その状態で教えても
単に魚の釣り方は学べると思うのですが、

これから食料に困った際の
生き方というものは学べないのです。

なぜなら、
そこには

「自分の頭で考えて行動する」

という自主性がかけるからです。

具体的なやり方を教えるというのは、
単に答えを教えてしまうことと同じなのです。

それって自ら考えて練り上げるという
試行錯誤する機会を省くことになり

それはつまり、その人の成長機会を奪う
ということになってしまうのです。

特に仕事となると、

「これが絶対の正解である」

というものは少ないです。

自ら考え、実践してみて、
それからわかることがとても多いです。

また時代によって
求められるものは変わってきます。

そんな状況で、
答えがあって、それを解く方法さえわかればいい
というスタンスでは、

後々必ず苦労することが目に見えています。

人が最も成長するときとは

人が一番成長するときというのは、

「なぜ?」「どうして?」「どうやって?」

という疑問を自ら考え、

自分なりのロジックで答えを出すという

自分の頭を使うときなのです。
このプロセスを省略したり、
飛ばしてしまうということは

その人の考える機会を奪うことになり、

何かわからないことがあったら
思考停止状態になり、思考力、創造力などが
一向に育たないようになるのです。

「考える習慣」

というのは成長においては欠かせないのです。

なので、私が思うのは、

魚(答え)を与えるよりも、

魚の獲り方(テクニック)を教えるよりも、

「釣り」を教えることが大事だと思うのです。

道具の使い方、餌のつけ方、
場所の選び方というやり方などを

教えたりすることももちろん大事なのですが、

魚釣りの目的や楽しさや醍醐味ということを
すべてひっくるめて教え、考えさせ、実践できるように

「導き、見守る」

ということがあるべき

「教育」

なのではないかと思うのです。

これは労力も時間もかかるものです。

相手からすると、

「さっさとやり方や答えを教えてくれよ」

と思われるかもしれません。

それを、本当に相手のためを思って
あえて答えだけを示さず、

「原則や趣旨といった大局から物事をとらえ、

今の状況に最適な答えは何かということを
自ら考え、実践させる癖をつけさせる」

ということは
言葉でいうのは簡単ですが、

自らの行動で実践するのは
とても大変なことだと思います。

けれど、
それを心がけて行うからこそ、

「自分の成長」があるし、

その「自分の成長」が、

結果的に「相手を成長へと導く」

ということになるのだと思います。

教育とは

そういう意味では教育とは、

「上から下への一方的な指導」

ではなく、

「上下へと循環するサイクル」

なのではないでしょうか。
つまり、永遠に終わることなく、

また正しい正解がないということなのです。

だからこそ、教育はおもしろいのです。

だからこそ、人の成長に関われる仕事を
私自身一生続けていきたいと思うのです。

そして、
年齢を重ねるごとに、
誰もが年下の人に関わるということが

結果として教育するということに関連する
ことになるので、

このテーマについてお話ししてみました。

少しでも参考になれば幸いです。

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