■自分は大学を卒業後、当時のワタミフードサービス㈱に
入社しました。
居酒屋の和民ですね。
食が好きというよりは、会社の社長や先輩の考え方に共感した、
人として成長したい、背中で語る人間になりたい、
そう思い入社したものでした。
そこで7年間店舗勤務をし、卒業し、今は
就職支援の仕事をしています。
大学内で行う合同企業説明会には、多くの飲食業界に関わる
企業が参加しています。
自社のクライエントにも飲食系の企業は多いです。
ただ、学生の人気は決して高くないです。
どちらかというと飲食系は不人気業界です。
飲食業界出身の自分としては、
確かに大変な業界ではあるけれども、学べるものはとても多い
と思うので、そんなに嫌がらなくても・・・と思うのです。
しかし、学生にとってみれば、
飲食店なんてアルバイトでも出来る仕事だし、
労働時間は長いし、昼夜逆転になる仕事でしょ?
と思ってしまうようなのです。
またアルバイトをしている学生に聞くと、
社員の人達がとても大変そうだから、社員にはなりたくない
という声もよく聞きます。
社会人として、大人として、
学生達やアルバイトの人達にそう思われてしまう、
そう思われても仕方がない姿を見せているのかと思うと
悲しく思いますね。
■ただ、先日行った学内セミナーにとある飲食店の企業が
参加していて、その人の姿を見ている際に改めて思ったことがあります。
その日はあまり多くの学生が来場しなかったので、
学校内で学生に声をかけることにしました。
我々スタッフは当然学生への声かけをするのですが、
その飲食の人事担当者も一緒に声かけをやってくれたのです。
決して自分達がお願いするわけでもなく、
自発的に行ってくれたのです。
そして歩く学生に次々と声をかけては誘導していくのです。
正直良い反応をする学生は少ないです。
無反応だったり、無視する学生もいました。
ただ気にすることなく学生に声をかけ続け、四年生ではないですが、
一年生と仲良くなってお店に招待していました。
そんな成果を出していました。
■その姿を見ていて思うのです。
それは、やはり飲食業界出身の人とは通ずるものがあるということ。
具体的に言うと、
「フットワークが軽い」
「人に声をかけるのに躊躇しない」
「初対面の人とも気軽に話せる」
「自ら成果を作り出そうとする」
「生産性で考える」
「空気を読む」
「総じて人に強い」
ということです。
自分も含め、
これら上記のスキルを持っていると思うのです。
■しかしこのスキルを能力として捉える人は少ないと思います。
はっきりとスキルといえるのか曖昧ですし、
その人の人間性や性格によるものと思われがちだと思うのです。
またこのようなスキルが必要であると認識することが
少ないと思います。
なぜならあまりにも当然すぎることだからです。
しかしこういったベーシックな土台の基礎をもつことは
何においても必要だと思うのです。
一方でどうやって身につけていくかがわかりにくいです。
「空気を読む」にはどういう訓練をすればいいのでしょうか?
ぱっと出てこないですよね?
■ただ、これらは身につけることができます。
特に飲食店で働くことで身につけることができます。
お客様の満足を考えながらテーブルや表情を見ていると
自然に身に付くものなのです。
これらは人と関わる上で必要不可欠なものであり、
このスキルがあれば他のどの分野にも応用可能なのです。
そんな素敵なスキルを学ぶことができるのが飲食業界なのです。